食料自給率と食品ロス
農林水産省によると、平成27年度の日本の食料自給率は39%(カロリーベース)らしいです。
正直ピンときませんよね?
食料自給率にも、カロリーベース総合食料自給率と生産額ベース総合食料自給率があり、それによって食料自給率の%が違います。
どちらの算出方法を用いた場合にも言えることは、日本の食料自給率はものすごく低いです。
では私たちが普段食べている食料は、どうやってまかなっているのでしょう?
そうです、輸入です。
自分の国で出来る食料だけでは生きていけないから、大量の食品を輸入しています。
しかし、日本の食品ロスは年間約632万トンにも上るそうです。
日本人1人当たり、毎日お茶碗約1杯分のご飯を捨てている計算になるそうです。
なんとも気持ちの悪い話しですよね。
食べ物が足りない人がいる?
食品ロスの数字だけをみれば、日本には食料がありあまっているような印象を受けます。
しかし、貧富の差があればそこには食料の格差が存在してしまいます。
つまり、大量に捨てられているにも関わらず、日本でも食べるものに困っている人がいるんです。
さらには大規模災害などが起こってしまった場合にも、食べるものに困る人が出てきます。
フードバンクとは?
フードバンクとは名前の通り「食品の銀行」、つまり食品を備蓄する活動になります。
さらには備蓄するだけではなく、食べ物に困っている人や、施設に届ける活動のことをいいます。
セカンドハーベスト・ジャパンという日本初のフードバンク団体がりますので、フードバンクとはどういうものなのか?
そちらの活動について紹介していきたいと思います。
食べ物が捨てられる理由
- 包装状況の問題:缶詰のへこみ、段ボール箱の破損など
- 規格外品など表示ミスの問題:賞味期限の印字不備、法律で定められた表記事項の誤りなど
- 期間限定商品の在庫の問題:商品が売れ残り、在庫を抱えてしまったなど
- 特売品の在庫の問題:特売や催事の終了により、商品の在庫を抱えてしまったなど
- 店頭商品の賞味期限の問題:商品の回転が遅く、賞味期限が迫ってきたなど
- 店頭商品の発売終了の問題:商品が終売となり、定番からカットされてしまったなど
- 定番商品の在庫の問題:倉庫に在庫を抱え過ぎて、賞味期限が迫ってきたなど
- 予定外の生産や不良品の問題:野菜の収穫が予想外に多かった、規格外品が大量に出たなど
- 防災備蓄品の問題:防災用として備蓄していた食品の賞味期限が迫ってきたなど
- 催事用食品の問題:展示会・イベント・試食・サンプリング・スポーツ大会等で飲食品が余ったなど
- 「3分の1ルール」の問題:スーパーマーケットなどで決められた「3分の1ルール」にそぐわないなど
食べ物が捨てられる理由がたくさんあるのがわかると思います。
に食品メーカーなどでは、中身に何も問題がなくても、外装が少し汚れてしまったり、印字がずれたりなどしてしまえば、消費者に届けることは出来ません。
また、農家さんも規格外の野菜や果物が出来てしまえば、加工品になったりもしますが、多くが廃棄処分となっているのが現状です。
私の知り合いにもピーマン農家の方がいらっしゃるのですが、畑に山積みにされた規格外のピーマンを見たことがあります。
フードバンクの役割
フードバンクは上記のような理由で捨てられている食べ物を引き取って、食べ物に困っている所に運ぶ。橋渡し的な役割を担っています。
また、福祉施設や団体にも食の支援を行っており、福祉施設や団体の運営支援にも繋がっています。
さらに、食品メーカーなどの企業から見れば、食品の廃棄コストの削減に繋がるだけではなく、消費者や世間からのイメージアップにも影響があるのではないでしょうか。
農林水産省も、食品ロスの削減・食品廃棄物の発生抑制を掲げており、フードバンクはその一翼を担っています。
食品ロスの半数は家庭から
実は食品ロスの約半数は家庭から発生しているようです。
・調理の際に食べられる部分を捨てている
・食べ残し
・冷蔵庫などに入れたまま期限を超えた食品
などが主な原因で、年間約302万トンに及ぶそうです。
少し前に「もったいない運動」が流行りましたが、流行ではなくずっと考えていかなければならない問題なんです。
今は特に飽食の時代になっています。
さらには、幼稚園や学校でも子供に対して厳しく指導できないため、子供のうちから好き嫌いをして残しても厳しく怒られず、
お腹が空けばいつでもおやつや食べ物がある、というような環境になっています。(少し偏った表現かもしれませんが)
食の尊さや、食に対しての感謝の心を繋げていくためにも、食品ロス・フードバンクについて一度考えてみてはいかがでしょうか?
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